株価“大暴落”に勝てる年金型収入
株価“大暴落”に勝てる年金型収入
By パームビーチリ・サーチグループチーム&トム・ダイソン
(略)
思いもよらない方法で社会保障制度に変わる収入を確保
株式市場のなかに、「ジェリー」レベルと同じくらい安全な会社があると言ったら、あなたは信じるだろうか。
「安全」と「株式市場」が同じ文章に登場することは滅多にない。しかし、株主のために年金、つまり年金保険型の収入を生み出してくれる超優良株は、少数ながら存在する。着実に配当金を支払っていて、しかもその金額が増え続けている株のことだ。
こうした「ジェリー」タイプの企業の凄さを理解し、そのよさをあなたに認めてもらうために、これから2種類の株の買い方について、簡単なレッスンをしたいと思う(ヒント:あなたの投資仲間の99%は、私がこれからあなたに教えることを理解していないと思う。金融の専門家の中にも理解している人はほとんどいない)。
株を買う2つの理由
ほとんどの人は、ある1つの理由のために株を買う。その理由は、「株価は値上がりするから」。
この場合、重要なのは株価である。ある価格で株を買い、その後、株価が上昇したときに売る。
1,000円の株を10万円分買い(100株手に入る)、数年間所有し、これが3,000円になったときに売れば、30万円が手に入る。つまり20万円の儲けだ。
株価の上昇を見込んで株を買うのは悪いことではない。そういう類の企業に投資すれば大金を稼げる可能性はある。というか、私たちのパフォーマンス・ポートフォリオの株も、私たちがお勧めする株も、これが目的だ。特定の企業の株価を上昇させるワクワクするストーリーやテクノロジー、トレンドはたくさんある。
重要なのは、株を買ったあとで、上昇している株価ばかりに気を取られてしまうことだ。それらの株価がどうにもならないようす、最悪の場合は価値が下がっていくばかりのようすを見るのは辛い。だから、株価が下がったり、どうにもならなくなると、ほとんどの人は売却してしまうのだ。
私が言っていることがどういうことか理解するために、下のグラフを見てほしい。これは、今月のお勧めの株価である。
もしあなたが株価を基準に投資する株価投資家なら、こういう株を所有したいと思うだろうか?
絶対ないだろう。この企業の株価は9年経ってもどうにもなっていない。それどころか、2007年から2015年までのあいだに、株価が下がった年が4年もあったのだ。しかも、そのうちの何年かはかなりひどい値下がりである。
株価の推移を見守っている投資家なら、この株を9年も持っているなんて、絶対にしないだろう。多分、株式市場が下落した4年のうちのどこかで――おそらくは金融危機のときに売ってしまったはずだ。
金融危機のあいだも、ずっと自制心を持ってそのひどい状況を無視し続けていたとしても、2007年に株を購入してから4年もどうにもならなかったなら、しびれを切らし、退屈して売却するのではないだろうか。
おわかりだろうか。ほとんどの投資家はこんなふうに株を売買している。彼らは株価ばかりを気にしているのだ。
彼らにとっては、株価が上昇するかどうかが唯一の成功の物差しなのだ。
しかし、株を買う理由はもう1つある。それは、「収入を増やすため」だ。
この理由は、株価とは何の関係もない。止まることなく増え続ける配当金を支払う株を買うのである。
[配当金とは、企業が出した利益の一部を株主に支払う現金のこと。四半期に一度支払われることが多い]
多くの投資家は、収入を得る手段として株を買うが、彼らは結局、株価が下がりすぎるとパニックになって売却する。いわば「株価」投資家なのである。
なぜそうなるかというと、どんな資産株を買うのが適切なのかを彼らが理解していないからだ。適切な資産株を買うタイミングもまったくわかっていない。
しかし、株価は関係ない。
資産株に適しているのはたったの3%
アメリカの証券取引所で取引されている銘柄は、およそ4,000種類ある。
そのうち、配当金を支払うのはわずか2,800だ。しかし、それらの配当株のすべてが、あまり変動せず安定しているというわけではない。配当金は、企業の利益や景気の方向性によって変化する可能性を秘めている。先ほど話したマーティのレストラン帝国のように。
2,800銘柄の配当株のうち、私たちが求める優良株の条件を満たすのは、たった108銘柄しかない。25年にわたって、毎年途切れることなく配当金が増え続けている実績のある株だ。
「パーム・ビーチ・レター」では、こうした株を「止まることなく配当金を増やし続けるもの」と呼んでいる。
少し時間を取って、このことについて考えてほしい。
現在、株式市場には四半世紀にわたり、途切れることなく毎年、投資家に配当金を払い続けている企業が存在する。
配当金を払ってきただけではない。これらの企業は、四半世紀ものあいだ、毎年配当金の額を増やし続けてきた。
1987年のブラックマンデーのときも、90年のイラク・クウェート侵攻のときも、97年のアジア通貨危機のときも、2000年のITバブル崩壊のときも、2008年のグレート・リセッションのときも、そして2010年のフラッシュクラッシュのときも。
言い換えると、これらの株を保有している人たちは、25年間、毎年、前年より多い配当金の支払いを受けてきたということだ。
これはジェリーのベーカリー・ビジネスの投資家の話のようではないだろうか。
先ほどお見せした「今月のお勧め株」のチャートを思い出してほしい。9年ものあいだ、株価はあちこち動いたあげく、どうにもならなかった。
今度は、別のチャートを見てみよう。受取配当金が増え続けている。先ほどとはトレンドラインが異なるのがおわかりだろうか。
この配当金支払額チャートは、先ほどの株価チャートとまったく違うのがおわかりいただけるだろう。
この企業は、2007年から2015年にかけて、毎年、投資家に配当金を支払ってきた。それだけでなく、その額を増やし続けてきたのだ。株価が下がった2007年、2008年、2013年、そして2015年にも、受取配当金が増えている。
同じ会社なのに、投資家の視点が異なるのだ。
では、今日のビッグレッスンとお持ち帰り情報は何だろうか。
それは、「●●●●と●●●●のあいだには何のつながりもなく、互いに依存しているわけでもない」ということだ。
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